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実は難しい?、喘息の診断①
院長ブログ
2023年02月21日(火)
時折、この子は喘息なんでしょうか?、喘息の気があるかもしれないとよく言われるのですがと聞かれることがあります。

実は喘息はこれが陽性だから喘息ですとか、この数値を超えているから喘息ですと客観的な指標では決められておりません。

2017年以降、5歳以下を乳幼児喘息として、学童期以降とわけて、診断、治療する方針となっています。
小さい子ほど気管支が細いため、ゼーゼーしやすいためです(特にRSウイルスに罹患した時など)。

乳幼児喘息の診断基準は
 「24時間以上つづく明らかなゼーゼー(呼気性喘鳴)を3回以上繰り返し、吸入したらゼーゼーが良くなったり、呼吸が楽になる場合は喘息とする」としています。

ほかに、
 ・両親のどちらかに医師に診断された気管支喘息がある。
 ・患児に、医師の診断によるアトピー性皮膚炎がある。
 ・患児に、血液検査にてハウスダストやダニへのアレルギー反応を認める。
 ・家族や患児に、血液検査でアレルギー体質がある(IgEという数値が高い)。
 ・痰に好酸球というアレルギーの細胞を認める。
 ・風邪をひいていない時でも、ゼーゼーする。
以上が、診断に有用な所見とされています。

ただ、気管支喘息は夜間と朝方がひどく、日中は軽快していることが多いので、診察の場面ではゼーゼーが聴こえなかったり、咳もひどくないといった場面が多いので、問診と経過、いままでの状態、家族の状態などを参考にしています。